電験三種、H29年度電力問4の解説動画を投稿しました。
H29年度電験3種 電力問4
原子力発電により生成するエネルギーと、
揚水発電所の汲み上げに要するエネルギーを比較する問題です。
原子力発電所は、ベース電源として24時間運転し続けます。
夜間の需要の少ない時間帯に原子力発電所が運転している場合、
供給過多となる電力を、揚水に用いるという運用をしています。
また、近年は長期休暇の時期に再生可能エネルギーによる
日中の余剰電力の調整にも揚水が用いられています。
ともあれ、電力の実際の運用に基づいたおもしろい問題だと思います。
計算では、原子力と揚水が混ざっていて、混乱してしまう可能性があります。
きっちり分けて考えて、ひとつひとつ計算していけば
考え方自体はそこまで難しくはありません。
原子力発電におけるポイント
E=mc^2 原子のエネルギーの式です。
アインシュタインの式として有名ですね。
物質は、質量に光の速さの2乗をかけたエネルギーを持っています。
ここで注意すべきは、単位です。
エネルギーはW・s、質量はKg、光の速度はm/sです。
とはいえ、電験三種は選択問題なので数字だけ同じになれば、
桁数が違っていても答えが推測できます。
ただし、たまに同じ数字で桁数だけ異なる選択肢が
用意されていることがあるので注意が必要になります。
やはり、横着せずに理解しておくと良いです。
揚水に関するポイント
揚水に必要なエネルギーは、「水の位置エネルギーの差」になります。
E=mgh 定番の、覚えておくべき位置エネルギーの式です。
揚水時は、揚程が高さ、汲み上げる水の総量により質量が決まります。
また、汲み上げる際にはポンプの効率に基づいた損失があります。
ポンプの入力電力量 × 効率 = 揚水に用いられるエネルギー
になるということです。
管理人の意見
せっかく式を理解し、覚えていても単位を間違えて
覚えているというのは、あるあるです。注意する必要があります。
原子力の問題は、あまりパターンが多くありませんので、
過去問題集を解いて基本を押さえておくと良いでしょう。
範囲の割に出題頻度が多いためおすすめです。
また、揚水の問題ではポンプの効率が絡む問題はよく出題されます。
特に、近年は再生可能エネルギーの導入が進んでおり
新しい技術というわけではありませんが、「時事ネタ」といえます。
発電の時と混乱して掛けるのと割るのを間違えないようにしましょう。
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