電験3種合格講座 H29年電力問7解説
電験三種、H29年度電力問7の解説動画を投稿しました。
変圧器の結線
もはや定番とも言える問題です
⊿結線とY結線の特徴を理解し、それぞれの組み合わせから
変圧器の結線パターンを理解しましょう。
電験でも時折出題される分野になります。
Y-Y結線について
Y-Y結線には、下記のような特徴があります。
・中性点の接地が可能であり、地絡保護、異常電圧の抑制が可能
・1次、2次同一結線であるため、位相差がない
・高調波の還流ができない
1次、2次共にY結線とした場合、⊿結線による高調波の還流ができません。
そこで、3次側に⊿結線を設けることで還流をなくします。
Y-Y-⊿結線にするということです。
3次側は、所内電力や調相設備に用いられます。
Y-⊿結線
Y-⊿結線には、下記のような特徴があります。
・Y結線側に中性点の設置ができ、地絡保護、異常電圧の抑制が可能
・⊿結線により、高調波が還流
・1次、2次で異なる結線であるため、30°の位相差が生じる
基本的に、Y側が高圧、⊿側が低圧側になり、
変電所の降圧用の変圧器や、発電所の昇圧用変圧器に用いられます。
降圧と昇圧で、潮流の
発電所において、発電機側の⊿結線はは発電機の中性点で接地がとれます。
⊿ー⊿結線
⊿-⊿結線には、下記のような特徴があります。
・両側が同じ結線であるため、位相のズレは生じない
・⊿結線により、高調波が還流
・両側⊿であるため、中性点接地ができない
そのため、地絡時には異常電圧を発生してしまいます。
配電線では⊿ー⊿結線が用いられています。
地絡の検出には工夫が必要になります。
⊿結線の完全地絡電圧
例のごとく雑な図で説明します。
正常時の電圧のベクトルに対し、例えばU相が地絡すると、
右図のようになります。U相が電圧ゼロになります。
ベクトル図から、地絡時の健全相の電圧は、
線間電圧と同じになることがわかります。
最後に
これらの結線は、4つのパターンとして覚えるよりも
⊿とYの特徴を理解し、組み合わせるとどうなるか
というふうに考えたほうが理解しやすくなると思います。
定番問題なので、解けるようにしておくべきでしょう。
また、配電系統の地絡時の零相電圧については今回説明していませんが、
対称座標法を用いれば解くことができます。
対称座標法については、3種レベルでは出てきません。
ただ、1種に向けて整理するためにいずれ記事にしようと思います。
といいつつも、私の理解度がブログにまとめられるレベルであるか
という問題がありますが・・・。がんばります。
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