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H23年電験1種1次機械問3 整流回路の転流重なり

H23年電験1種1次機械問3 整流回路の転流重なり

電験1種の勉強をしているので、学んだことを備忘録的に

ブログに記録していこうと思います。

パワエレは、2種までに全くと言っていいほど勉強していないので、

これから基本を含め理解をすすめたいと思います。

今回は、三相ブリッジ回路についてです。

問題

H23年度1種機械 試験問題[PDF]

http://www.shiken.or.jp/answer/pdf/108/file_nm03/F1K_2011.pdf

三相ブリッジ整流回路

回路の概要

三相ブリッジ整流回路は上左の図のような回路です。

ここで、リアクタンスは平滑用リアクタンスを表しています。

リアクトルということでイメージできると思いますが、

リプル(脈動のような波形の乱れ)を抑える役割をします。

そして、抵抗成分は負荷を表しています。

入力波形と出力電圧

u,v,w相の三相交流の電圧は上右の図のようになります。

一般的な三相交流200V電源です。

ダイオードにより整流された結果、ブリッジ回路の出力電圧は

u,v,w相のうちの最大電圧と、最低電圧の差分、つまり

線間電圧 u-v , u-w , v-w のなかの最大値が出力電圧です。

図でいう黄色線です。120°周期で振動する波形になります。

また、線間電圧200Vは実効値です。波形を式であらわすと、

\(V = \sqrt{2} \times 200 sin(\theta) \)

となります。この60°~120°の領域を繰り返しているのです。

つまり、この波形の平均値は次のような式でもとめられます。

\(E_{av} = \frac{1}{\frac{\pi}{3}}\int_\frac{\pi}{3}^\frac{2\pi}{3}\sqrt {2} \times 200 sin\theta d\theta \)

計算すると、答えは約270 Vとなります。

(グラフを見てある程度予測できますが)

電源にリアクタンス

実際の回路では、線路のインダクタンス等の影響があります。

電源側に交流リアクトルが存在することにより、

ダイオードが転流する際、電源間の短絡電流の立ち上がりがなく、

もともとONのダイオードとONになるダイオードの両方が通電します。

この2つのダイオードが通電している角を、重なり角と呼んでいます。

6個のダイオードが存在しているため、6回の電圧低下が発生します。

微小区間での電流変化が\(\frac  {dI_u}{d\theta}\)とすると、

\frac{3}{\pi}ごとにリアクタンス降下が発生するので電圧降下は、

\(\Delta E_{d} = \frac{3}{\pi} \int_0^u \omega L \frac  {dI_u}{d\theta}d\theta = \frac{3 \omega L I_d}{\pi} \)

ということで、問題文の数値を代入して求められます。

感想

パワエレ見習いということでなんとなく簡単そうな問題から

取り掛かってみましたが、かなり難しい問題でした。

(パワエレ慣れしている人にはどう感じるかわかりませんが)

転流と重なり角の考え方は理解しておくべきだと感じています。

私が知人からもらった本にも転流重なり現象について記載がありました。

正直全然読んでいなかったのですが、良い機会なので

勉強しようと思います。金先生の教科書です。

パワースイッチング工学

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