%Z法(パーセントインピーダンス)と対称座標法の入門
先日書店で購入した、「%Z法と対称座標法の入門」がかなり素晴らしい本だと感じたので紹介します。おすすめの一冊です。
%Z法や対称座標法は、電験1種や2種にも不可欠な知識です。電験1種、2種の勉強に役立つこと間違えなしのおすすめの1冊です。これらに特化した参考書は他に見つけられませんでした。電験の2次試験は、論述問題の範囲が幅広く、カバーするにも限界があるので、計算問題で極力得点できるようにしておくべきというのが私の考えです。そもそも、%Z法も対称座標法もいわゆる”道具”です。原理原則に従って計算すると膨大な手間がかかるのを、先人が解きやすくするために考案してくれた手法です。そして、本書はこの道具の使い方をわかりやすく説明してくれています。また、理解することで、系統屋としての知識も得られるようです。(系統屋ではないので系統の実務についてはわかりませんが)
%Z法
ざっくりいうと、変圧器を通すと計算が煩雑になる系統の問題について、基準に対する%で計算すれば良いじゃないかというのが%Z法です。この本を一通り読めば、%Z法を理解できていない人でも電験問題を解くことができるぐらいレベルアップできると思います。本書を読んで、過去問解きまくって、%Z法を体に染み込ませましょう。講義内容として目次を紹介します。
- 変圧器を経由すると、インピーダンス値はどのように変化するか
- パーセント・インピーダンス値を表す基本公式と実用公式
- 発電機、変圧器、送電線の各%Z[%]の概数値
- %Z法の基礎である単位法の概要
- 計算する前に、基準容量値を統一しなければならない理由
- 簡単な電力回路の計算を%Z法で解いてみよう
- %Z法による電力回路の計算法の要点
- %Z法を応用した電験問題の解き方
- 並列運転中の変圧器相互間の負荷分担計算法
- 変圧器の返還負荷法による循環電流の計算法
- 実務的な3相短絡故障電流の計算法
- 実務的な電圧降下率と電圧変化率の計算法
- 小出力太陽電池発電所の交流過電圧の予測計算法とその対策方法
- 大出力太陽電池発電所の交流過電圧の予測計算法とその対策方法
- 実務的な系統相差角とループ潮流の計算法
対称座標法
電力系統の故障の中でも、3相不平衡となる故障を解き明かすために役立つのが対称座標法です。電験1種で出題されます。正直かなり難しいですが、本書はかなり丁寧に解説してくれています。また、系統運用部門の技術者に必要とされるようです。(繰り返しますが、系統の実務についてはわかりません^ー^)
講義内容として目次を紹介します。
- 対称座標法は、どんなときに使う計算法か
- 零相分、正相分、逆相分とは何か
- 中性点抵抗値を3倍する理由
- 変圧器の巻線方式よりIoの流れ方が変わる
- ベクトル・オペレータaを使用した対称座標法の公式
- 不平衡な負荷電流には、零相分電流を含まない
- 対称座標法の基となる発電機の基本公式
- 対称座標法による計算手順
- 不平衡故障時の各相の電源電圧と対地電圧の相違
- 1線地絡故障時に零相分電流が流れる経路
- 対称座標法を応用した1線地絡故障の計算法
- 1線地絡故障時の各対称分を表す等価回路図
- 1線地絡故障時の零創文電流分布のよくあるミス
- 電磁誘導障害の問題は、なぜ3Ioに着目すればよいのか
- 400V級電路の1線地絡故障電流値の設計計算例と注意事項
- 1線地絡故障計算の例題とその解法
- 抵抗接地系のDGリレーのVo、Ioの結線方法
- 6.6kV配電線路の1線地絡故障時の等価回路
- 高圧電路の零相分残留電圧の発生原因と対策
- 2線短絡故障と2線地絡故障の相違点
- 2線短絡故障の公式と等価回路図
- 2線短絡故障計算の例題とその解放
- 2線地絡故障の公式と等価回路図
- 2線地絡故障計算の例題とその解法
- 大きな単相電流に起因する回転機器の諸問題
- 2相故障時の奇数次高調波による共振異常電圧の発生原因
- 高圧配電線ろの末端故障検出用の逆相過電流継電器
- 中性点抵抗接地系の故障解析法
- 中性点非接地系の故障解析法
- 中性点非接地系の間欠地絡故障時の異常現象
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