PR

業務の改善活動に消極的な理由を議論して

業務の改善活動に消極的な理由を議論して

こんばんは。イルカです。今年も終わりですが、今年の総括や来年の抱負ではありません。

業務の改善活動について飲み会で話題になりました。なんとなく議論が面白かったので備忘録がてら記事にしてみます。

当然のことながら会社によってやり方は異なり、改善に力を入れている会社ではこのような実態には陥っていない可能性もあります。飲み会では近い意見が多く見られましたが、「類は友を呼ぶ」の可能性もありますね。

業務の改善活動

  • 業務:職業や事業などに関して、継続して行う仕事
  • 改善:悪いところを改めて善くすること

と辞書的な意味は上記のとおりです。業務の改善活動は、資本や労働力等のインプットを極力減らし、商品やサービス等のアウトプットの最大化を目指して日常の業務を「善く」していく活動を指します。

上司や会社は、「働き方改革」を掲げ「業務の効率化」をしきりに求めます。業務の改善のために様々な策が打たれ、より働きやすい職場へと向かえば良いのでしょうが、現実はそうもいきません。

業務の改善活動に対する私の考え方

私は業務を行う中で問題点を改めていくことは行います。ただし、自分の業務範囲でないことに関して問題を発見して、解決方法まで思いついたとしても見て見ぬ振りをすることが多々あります。自身の仕事量から判断し、改善案を見つけたとしても、実施タイミングは慎重に見計らう必要があるわけです。

会社に対して不誠実といわれるとそのとおりだと思います。ただ、あながち私だけの思想ではなく実際に現場の社員の多くはこのような感情を多かれ少なかれ、声に出す出さないの差で抱えているかと思います。

解決のためには、何らかの報酬を設けることで社員のモチベーションを上げること、チームとして改善活動をサポートする体制を作ること等が必要と思われます。今のままではインセンティブがありません。

なぜ改善活動に取り組みたくないのか

  • 見返りがない、もしくは不十分なので意義を感じない
  • 改善のための業務が増え、特段個人の業務は減らない

簡単にまとめると、上記のとおりになります。要するに、見返りはないのに残業は増え、まったく得しません。

いつもの雑な絵で、改善活動を表すと上のイメージになります。

ただし、当然会社ごとに方針は違います。改善に力を入れている会社で報酬が見合うように制度設計されている場合もあるでしょう。そういった場合は積極的に業務を改善していくのが望ましいです。

さて上の図、問題点がいくつか挙げられると思います。例えば・・・

言い出しっぺがすべて実行する風土

  • 改善活動が過剰な労働に結びつく風土
  • 精神衛生を考慮し、改善活動は計画的に行うこと

自分の日常業務を継続して実行したまま、更に改善活動をおこなうことを強いられます。それは、言い出しっぺがすべて実行する風土があることが原因でしょう。各々の考える労働時間の限界ラインを超えてくることへの恐れから業務改善活動への取り組みをやめてしまいます。

私も入社1,2年目の若手社員の頃に、やや時間がかかるものの部門全体である程度応用が可能な改善案を提示したところ、これまでの自分の業務は減ることなく、この改善活動が新たな業務として追加されてパンクしそうになったことがあります。(異動で免れました^ー^)

それ以来、業務の改善提案にはかなり慎重になっています。

手が空いていないときには改善活動をしないようにすることで過度なストレスを避けましょう。「承認欲求」のために「安全欲求」が脅かされる危機に陥っては元も子もありません。

改善後も自分の業務量は対して減らない

  • 必ずしも改善が自身の業務量減に結びつかない点に注意

改善後もこれまでの業務がわずかに負担減になるだけで、自身の業務量はほとんど改善前と変わりません。なぜなら、会社全体としての業務量を減らすことはできるかもしれませんが、それは個人の業務量削減に直結するわけではないからです。

みんなで業務を効率化して早く帰ろう?その分他の仕事が増えるだけで早く帰れません。

見返りがない

  • 時間的にも、報酬的にもメリットが少ない

これは上の図に見られるわけではないのですが、時間、給与、評価といった報酬が得られない、もしくはわずかな報奨金だけです。業務の改善活動に捧げた時間は帰ってきません。

改善活動結果の報告業務

改善活動を行った場合、どのような改善をしてどのような成果が得られたか報告する必要があります。そして時間を費やす羽目になります。また、改善が評価されればされるほど、各所への発表や説明資料作りで忙殺されます。上記の通り、自身の業務は減らないにもかかわらず、です。

上司がインセンティブを与えることはできるのか

上司の立場を考えると、権限がほとんどない割に各方面から板挟みにあっており同情します。(こういった上司の姿を見ていると、偉くなりたいと思えず非常に残念な会社の有り様と感じます。)そういった、権限は殆どない場合の策はあるのでしょうか。上司の立場で考えてみます。

ここまで振り返ってみると、社員の改善意識が低迷している要因のひとつにインセンティブがないことが挙げられます。

もし自分に大きな権限があるのであれば、報酬や評価体系を変更することができますが、一上司という立場では到底不可能です。

正直、これぞと言える解決策がでてきませんでした。強いて上げるなら、

余計な仕事を産まないことが挙げられます。他の部署からの仕事の安請け合いはもってのほかでしょう。社員に時間がないから改善に時間を割くことができない、であれば時間内に行う業務を減らし、改善に割く時間を作るために上司としてできることをすべきかと考えます。

また、改善活動に取り組む人の業務をチームの皆に配分するようにすることも良いかと思いますが、業務の引き継ぎが難しく時間がかかる場合はむしろマイナスとなることも考えられるため、チームの皆の業務を密に把握している必要があるでしょう。

小言

正直、社員の立場で理不尽と思うことが多々あるのですが、同様に上司の立場に立って考えてもこれまた理不尽なことは多々あります。もっと上流から、本質的なものを変えないことには真の改善は不可能でしょう。

コメント