マスメディアが生む再エネの誤解
ミスリードを生むフレーズ
再生可能エネルギーのニュースでこのようなフレーズをよく見ます。
「○○太陽光発電所は○○kwで原子力発電所○○基分です!」
これを見た一般人はこう思います。
「○○太陽光発電所が原子力発電所1基と同じだけ電気を生む!」
これは間違っています。マスメディアのミスリードです。
マスメディアは、ポジショントークなのか無知なのかわかりませんが、
誤解を生むフレーズを乱用しているということになります。
以下で誤解を解くための説明をします。
設備容量と設備利用率について
発電量を比較するには
各発電所の発電量を比較するためには、
設備容量(KW) × 設備利用率(%)
設備容量に設備利用率を乗じた値を比較する必要があります。
ちなみに設備容量は、発電所のもつ最大の出力です。
最大の出力のうち、何パーセントを利用できるか考えるべきというわけです。
設備利用率とは?
簡単な図で説明すると、こんな感じです。
(例のごとく即席手抜きの図ですみません。)
発電量は、図の斜線の面積になります。要するに設備容量の時間積分です。
そして、発電量を設備容量で割ると、設備利用率が出ます。
設備容量に対して、平均どれぐらい出力を出せているかを
表してくれるのが「設備利用率」です。
つまり、本当の発電電力量を比較するためには
設備容量に設備利用率を乗じた値を使えばよいのです。
ちなみに単位を見ても、発電量はKWh、設備容量はKWで次元が違いますね。
瞬時値であるKWで比較することはこの場合意味を持ちません。
原子力発電所と太陽光発電所の比較
原子力発電所は設備利用率60%(低めにみて)、
太陽光発電所は20%(高めに見て)です。
マスメディアは、設備容量(縦軸)の最大値のみを比較して
原子力発電所○基分と表現していますが、発電量は全然足りていません。
管理人の意見
マスメディア
マスメディアは、大衆の思考を統一する役割を担っていたため、
昭和の人はマスメディアの報道を短絡的に受け入れてしまいます。
そのため、マスメディアは正しい知識と専門性、公平性を持って
情報を調査、理解、整理して報道してほしいと思います。
エネルギー
それぞれのエネルギーにメリット、デメリットはあります。
原子力は完全にやめて再生可能エネルギーを!と短絡的に考えるのではなく、
脱原子力をするにしても、どういう戦略が望ましいのか
考えて計画的に行っていく必要があると思います。
コメント