太陽光発電所崩落による新幹線運休から見る安全基準
太陽光発電所の崩落による新幹線運休
先日の豪雨の際、太陽光発電所の崩落により山陽新幹線が運休する
というトラブルが発生しました。
倒壊した太陽光発電所を上空から見てきた(嘘 pic.twitter.com/Wg5dM4o787
— 翼が折れたきたきつね (@northfox_wind) 2018年7月6日
今回の新幹線を止める原因となった太陽光発電所ですが、地歴をGoogle先生に確認してみました。撮影年ごとの写真。コメントは推察です。元々は山林だったようで、宅地造成の際の端部(未利用地)のようでした。先生すごいや pic.twitter.com/OZnVGyTy58
— 翼が折れたきたきつね (@northfox_wind) 2018年7月6日
今回の件とは関係ないですが、翼が折れたきたきつねさんのツイートは
とてもためになって面白いので、勝手におすすめします。
どうやらまともな安全柵がないような設備であったようです。
安全柵により防げた事案であったかはわかりませんが。
低圧太陽光発電所に危険が多い理由
そもそもなぜ低圧連系の太陽光発電所に危険が多いのか説明します。
例のごとく、経産省による説明のリンクを貼っておきます。
太陽光発電所は、50KWを境に「自家用電気工作物」と
「一般用電気工作物」に区分されます。
電験にもよく出題される項目ですね。
ちなみに電気工作物は、電気を使ったり供給する設備を指します。
詳しい文言はググってみてください。
さて、この区分により何が異なるのかをざっくり説明します。
自家用電気工作物とは?
50KW以上の太陽光発電所は、自家用電気工作物です。
一般用電気工作物は、次の義務を負います。
・技術基準の適合を維持する義務
・保安規程を定める義務
・電気主任技術者を選任する義務
下記リンクは、申請に関わる書類です。
一般用電気工作物とは?
50KW未満の太陽光発電所は、一般用電気工作物です。
技術基準に適合する必要はありますが、
一般用電気工作物において必要な届け出が不要となります。
また、事業者として求められる安全のための規制や基準もゆるくなります。
こんな資料もあります。
http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g30129f061j.pdf
というわけで、安全のためのガイドラインも守られていない発電所が
目立つようになってしまいました。
FITに伴う規制の緩和
ちなみに、FIT制度が開始されてから安全のための規制が緩和されています。
もともとは20KWであった境が、50KWに変更されています。
現在乱立している太陽光発電設備は、この規制緩和のために
50KWの設備容量になったといえるでしょうし、
20KW未満のままであればここまで乱立されてはいないでしょう。
あくまで推測の話ですし、分割問題もあるのですが。
(分割問題について詳しくはぐぐってみてください)
http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/hoan/denryoku_anzen/pdf/002_09_01.pdf
ざっくりまとめ
50KW未満の太陽光発電所は、一般用電気工作物であり、
安全のための規制や基準がゆるくなっているため、
安全基準を満たせていない野立太陽光発電所が乱立しています。
事業者として利益を出すことも大事ですが、
安全を犠牲してほしくはありません。
法律の遡っての適用はできないのが大原則ということなのですが、
せめて第三者の安全は確保されるようにできないものでしょうか。
さて、以下は、太陽光発電所の事業計画ガイドラインです。
興味があればご覧になってください。
修正点や補足などありましたら是非コメントください。
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