大ウソの住宅用太陽光発電投資シミュレーション
ダイヤモンド社が以下のタイトルで、記事をだしました。
「住宅用太陽光発電の誤算、「10年で投資回収」は大ウソだった」
しかし、この記事が支離滅裂。計算方法が全く理解できません。
事実に反する内容の記事で、太陽光発電のイメージを捻じ曲げるのは
決して許されることではありません。
という内容で記事を書いている途中で謝罪を記載していました。
今回の一連の流れと結果を改めて記事にしてほしいところですね。
ダイヤモンド社の記事
こちらがその記事になります。
「住宅用太陽光発電の誤算、「10年で投資回収」は大ウソだった」
というタイトル。このタイトルのほうが大嘘です。
この記事のシミュレーション、どこが変なのか書いていきます。
疑問点:オール電化費用?
シミュレーションの内訳を見ると、いきなり疑問。
オール電化改修費用含む???
オール電化は太陽光発電設備の設置とは別問題です。
オール電化とは、家のエネルギー源を電気に置き換えることを指します。
そうすることで、ガス代を削減することができます。
(その分、当然電気代は増えることになりますが。)
ちなみに、太陽光発電では余剰電力を売電することになるので
太陽光発電を導入する場合、オール電化にしたほうがお得だ
と単純に言い切れる話ではありません。
疑問点:電気代の二重引き
この記事では、収入側でも支出側でも電気代をマイナスしています。
これが最大の矛盾点です。
収入側:売電収入 + (設置前の光熱費 ー 設置後の光熱費)
この式は正解です。
売電収入は、単純に余剰電力を売って得られた収入です。
右のかっこ内は、太陽光発電により削減された光熱費です。
支出側:初期設置費用 + 光熱費
これが理解不能です。
光熱費は太陽光発電の設置に伴う支出ではありません。
また、光熱費の変化にはオール電化による増減も含まれているでしょうから、
単純計算できるものではないと思われます。
オール電化+太陽光発電の導入による収支
このAさん、本当に実在するのかはわかりませんが、
この謎の電気代2重引きを考えずに計算すると、
オール電化と太陽光発電導入による収支はトントンぐらいになります。
オール電化はどれだけ得で、太陽光発電はどれだけ得なのか
その内訳まではわかりません。
さくらいさんのツイートによりますと、
平均的条件下では太陽光発電は10年でトントンになるよう
制度設計されているようです。
余剰買い取り制度開始時に少しお手伝いしたけど、当時の平均的条件ならだいたいトントンになるように調整されてたはず。
この記事は式の両辺に電気代が入っていたりするので何かおかしな計算をしてるらしいが、それ以上の詳細も不明。https://t.co/zoDJvqtlYQ— Keiichiro SAKURAI (@kei_sakurai) 2018年9月25日
余剰電力買い取り制度の前から電力会社さんによる自主的な買い取りが行われてて一定の成果を上げてたのだけど、トントンになるまで20年以上かかってたのね。それを10年程度で粗方の元が取れて、かつ20年間のトータルでは同等の助成水準になるように調整してたはず。
— Keiichiro SAKURAI (@kei_sakurai) 2018年9月25日
一方で、やはり初期費用は工事事業者に依存するところです。
複数の事業者から見積もりをとったり、
事業者の評価や施工技術に関する情報収集に心がけましょう。
返す刀で。まともな事例ならば大方は10年前後で元が取れるはずだけど、ボッタクリ価格だったり、パワコン交換等を参入してなかったり、という事例も昔からあった。即決厳禁、相見積もり必須。耐風性能等の品質にも要注意、です。
— Keiichiro SAKURAI (@kei_sakurai) 2018年9月27日
という内容で記事を書いていたら・・・
記事を書いている途中で、ダイヤモンド社が記事の誤りを認めました。
ネットでの盛り上がりもあってか、速やかな対応でした。
記事を読んで乗っかった人に望むこと
自分の主義、思想と一致したら内容を確認せずに煽る人が多い印象です。
日本のメディアは、事実や数字よりも思想や自社利益を重視します。
そういうわけで、すべての情報を精査するのは実生活では困難ですが
思惑による偏りが生じやすいような内容の記事については、
正確さや信憑性について十分確認する必要があるというわけです。
特に太陽光発電に関しては、ポジショントークが入り乱れており、
一般人にはわけがわからず、怪しい業界に見えてしまっているようです。
これから先、なんとかこのイメージを払拭してほしいものです。
それにしても、ファイナンシャルプランナー。
よく知らないのですが人生の資金計画を任せられる職業だそうで・・・。
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